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今日は、日経新聞などの報道で話題になっている「企業の交際費」に関する最新トレンドについてお話しします。営業職の方はもちろん、経理や管理職の方にとっても、「あ、確かにウチもそうかも！」と思わず膝を打つ内容かもしれません。

1. 夜の銀座より、昼の緑？「飲むよりゴルフ」への大転換

かつて「接待」といえば、高級料亭やクラブで夜遅くまでお酒を酌み交わすのが定番でした。しかし、最新の国税庁の調査や民間データを見ると、その潮目は完全に変わってきています。

なぜ今、ゴルフ接待が復権しているのか

最大の理由は、コロナ禍を経て変化した私たちの健康意識と「タイパ（タイムパフォーマンス）」の重視です。

• 健康的なイメージ：「3密」を避けられる屋外スポーツとして再評価された流れが定着。
• 深いコミュニケーション：飲み会は2時間程度で終わりますが、ゴルフは往復の移動やプレーを含めて半日近くを共有します。
• 素の自分が見える：お酒の席でのトークよりも、プレー中の振る舞いにこそ、その人の「人となり」や「決断力」が現れると言われます。

お酒を飲んで記憶をなくす接待よりも、「一緒に汗をかいて、信頼関係を築く」というヘルシーかつ合理的なスタイルが、現代のビジネスリーダーたちに支持されているのです。

2. データで見る「西高東低」の謎

もう一つ、非常に興味深いデータがあります。それは、企業の交際費支出における地域差です。実は、東日本（東京など）よりも西日本（大阪など）の方が、企業一社あたりの交際費が高いという傾向が続いています。これを「西高東低」と呼びます。

「ナニワの商人」魂は健在？

なぜ西日本の方が交際費が高いのでしょうか？いくつかの要因が考えられます。

一つは、ビジネス文化の違いです。東京を中心とする関東圏では、効率や論理性を重視する「ドライ」なビジネス関係が好まれる傾向にあります。一方、関西を中心とする西日本では、「まずは人と人とのつながり（人情）」を重視する文化が根強く残っています。「腹を割って話す」ために、食事やゴルフという投資を惜しまない姿勢が数字に表れていると言えるでしょう。

中小企業の密度も関係

また、産業構造的な側面もあります。大阪や福岡などは、オーナー経営の中小企業が多く活躍しています。オーナー社長同士の結びつきにおいて、交際費は単なる経費ではなく「将来への投資」と捉えられることが多いのです。

3. これからのビジネスパーソンはどう動くべき？

「自分はゴルフをしないから関係ない」と思っているあなたも、このトレンドから学べることはあります。

相手に合わせた「おもてなし」の再設計

もしあなたが営業担当なら、取引先が「効率重視の東京スタイル」なのか、「関係重視の関西スタイル」なのかを見極めることが重要です。一律に飲み会を提案するのではなく、相手によってはランチミーティングや、あるいは思い切ってゴルフにお誘いする方が、商談がスムーズに進むかもしれません。

「リアル」の価値が上がっている

リモートワークやZoom会議が普及した今だからこそ、「わざわざ会う」ことの価値が爆上がりしています。

「ただ飲むだけ」の飲み会は敬遠されますが、「あなたとじっくり話したいから」という目的のあるゴルフや食事会は、これまで以上に強力な武器になります。