「最凶」の膵臓がん、発見が難しく進行が速い理由とは
― 検診の対象外、その隠れたリスクを徹底解説
導入:なぜ「最凶」と呼ばれるのか
膵臓がんは「最も恐ろしいがん」のひとつとして知られています。
その理由はシンプルで、「発見が難しい」うえに「進行が速い」からです。
実際、日本における膵臓がんの5年生存率は約10%前後と報告されており、胃がんや大腸がんと比べても極めて低い水準にとどまっています。
今回は、なぜ膵臓がんが検診で見つからないのか、どんなリスクに注意すべきかを詳しく解説します。
膵臓がんの特徴
発見の遅れ
膵臓はお腹の奥深くに位置しており、腫瘍ができても外から見つけにくい臓器です。
また、初期の膵臓がんはほとんど症状が出ません。腹痛や黄疸などの症状が出る頃には、すでに進行しているケースが多いのです。
進行の速さ
膵臓がんは転移や浸潤のスピードが速いことで知られています。
特に肝臓や肺、腹膜などへの転移が早期から起こりやすく、治療開始のタイミングを逃すと手術が難しくなる場合も少なくありません。
なぜ検診の対象外なのか?
健康診断や人間ドックでよく行われるのは胃がんや大腸がん、乳がんなどのスクリーニングです。
ところが膵臓がんは、効果的な早期発見の手法が確立していないため、現時点では全国的な検診の対象外となっています。
超音波やCT検査で偶然見つかることはありますが、費用や被ばくの観点から全員が定期的に受けるのは現実的ではありません。
最新データと具体例
- 日本膵臓学会の統計によると、年間で約4万人が膵臓がんで亡くなっている。
- がんの死亡原因では第4位に位置し、増加傾向にある。
- 診断時に手術可能な患者は全体の20%未満にとどまる。
実際に「健康診断では異常なし」とされていた人が、体重減少や背中の痛みをきっかけに受診したところ膵臓がんと診断されるケースも少なくありません。
どんな人がリスクが高い?
特に以下の条件に当てはまる人は注意が必要とされています。
- 糖尿病を新たに発症、または急に悪化した人
- 喫煙習慣がある人
- 慢性膵炎を持っている人
- 膵臓がんの家族歴がある人
これらに当てはまる場合は、医師に相談し定期的な画像検査を検討することが推奨されています。
予防と早期発見のためにできること
生活習慣の改善
禁煙、過度な飲酒を避ける、バランスの取れた食事を心がけることは、膵臓がんを含む多くのがんの予防につながります。
異変を見逃さない
体重の急激な減少、持続する背中や腹部の痛み、黄疸(目や皮膚が黄色くなる)などの症状があれば、早めに消化器内科を受診しましょう。
まとめ:膵臓がんを「知る」ことが最大の武器
膵臓がんは発見が難しく、進行が速いという特性から「最凶」と呼ばれています。
しかし、リスク要因を理解し、体のサインを見逃さないことが早期発見への第一歩です。
あなたや大切な人を守るためにも、ぜひこの記事をシェアして膵臓がんの怖さと対策を広めてください。
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