白い煙が上がるその瞬間まで──神に導かれし選択「コンクラーベ」の真実
ローマ教皇がどのように選ばれるのか、ご存知ですか?
導入:あの「白い煙」が上がるまで
2013年3月13日、バチカンの空に白い煙が立ちのぼった瞬間、世界中のカトリック信徒たちはテレビやスマートフォンの画面にくぎ付けになりました。
それは、266代目ローマ教皇フランシスコが選ばれた瞬間。神の導きと人の祈りが交差する、荘厳な儀式──それが「コンクラーベ」です。
しかし、「コンクラーベ」とは一体どんなプロセスなのでしょうか?誰が投票し、どのようにして教皇が選ばれるのか。この記事では、信仰と伝統が息づくこの神秘的な選出の舞台裏を、わかりやすくご紹介します。
コンクラーベとは?
ラテン語で「鍵のかかった部屋」
「コンクラーベ(Conclave)」はラテン語の “cum clave”=「鍵をかけて」 という言葉に由来します。その名のとおり、枢機卿たちは外部との連絡を断ち、システィーナ礼拝堂にこもって投票を繰り返します。
参加するのは誰か?
コンクラーベに参加できるのは、80歳未満の枢機卿のみ(2024年時点で約120名)。世界中から集まった彼らが、一票ずつ、聖霊の導きを信じて投票します。
教皇選出の流れ
- ローマ教皇の死去または辞任を受けて、教皇空位期間(セデ・ヴァカンテ)に入る。
- 15~20日以内にコンクラーベが招集される。
- システィーナ礼拝堂で祈りと投票が始まる(1日最大4回の投票)。
- 全体の3分の2以上の得票で新教皇が決定される。
- 選出が決まると「Habemus Papam(我ら、新教皇を得たり)」の宣言とともに白い煙が上がる。
白煙と黒煙のサイン
コンクラーベ期間中、システィーナ礼拝堂の煙突から立ちのぼる煙は、世界中の信徒への合図となります。
黒い煙: 投票結果が出なかったことを意味します。
白い煙: 新教皇が決定したことを意味し、広場に集まった群衆から歓喜の声が上がります。
デジタル時代における静寂
現代のコンクラーベでは、スマートフォンはもちろん、あらゆる通信機器の使用が禁止され、参加者には沈黙と祈りが求められます。
情報化が進む現代においても、神の導きを妨げぬよう、古来の形式が今なお守られているのです。
信仰と決断──選出に込められる思い
コンクラーベは単なる選挙ではなく、全人類にとっての霊的リーダーを選ぶ「祈りの決断」です。
教皇フランシスコも、選出後の最初の言葉で「人々の祈りに支えられて選ばれた」と語りました。
「皆さん、今、私のために祈ってください。」
― 教皇フランシスコ(2013年3月13日)
まとめ:私たち信徒ができること
コンクラーベは枢機卿たちだけのものではありません。私たち信徒一人ひとりの祈りが、その選出を支えているのです。次の教皇選出がいつになるかは神のみぞ知ることですが、その時には私たちも共に心を一つにして祈りたいものです。
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